生活を支えるケアは、一遍通りでは実現できない。決まった答えがない。

私たち光の苑は、どこにもない認知症ケアに関する専門知識をもったプロの集団であることを目指して努力してきました。認知症ケアで大切とされていること、それは、幸せの形、生活のスタイルは一人一人みな違うということです。
私たちは、違う相手を尊ぶことから一人一人の幸せな生活を支えることが始まると考えています。

光の苑は多様な価値観から出し合うアイデア、意見、ケアのプランを互いに聞きあいます。他者と自分は常に違うということを前提に、それを否定したり批判したりするのではなく、聞き合う。だからこそディスカッションからの化学反応が引き起され他者以上、自分以上のアイデアが生まれるのです。言葉にするのは簡単でも、実際にできるようになるには、精神的成熟さと冷静さと同時に温かい思いやりが必要で、高いコミュニケーション能力を身につけることが求められるのです。

私たちは、そうした違いを認め合うチーム力の高さ、コミュニケーション能力の高さを武器に、認知症の方や残りわずかな命となった方に対する心からのケアを丁寧に行うことを目指しています。

ケア方針

認知症ケア

■認知症ケアについて
認知症を抱える方の声にならない声を聴き、生きにくさや不自由さを理解し、
寄り添おうというのが光の苑の認知症ケアです。
『認知症とは何か』『痴呆を生きるということ』(小澤勲著 岩波新書)
をケアの基本にすえ、認知症の方の視点で関わることを第一としています。

看取りケア

■看取り ~最期まで、あなたらしく。。。
最期は安らかに、穏やかに、人の手のぬくもりのなかで迎えたい。
私たちは、苦痛をできるだけ減らし、孤独や不安を感じさせないよう丁寧なケアを、
ご本人やご家族の思いに添いながら進めていきます。

チームケア

■チームケア
より質の高いケアは、職員一人一人の力がチームとして結実しなければ提供できません。
私たちは、介護、看護だけでなく、あらゆる職種が目的を共有し、
できることを出し合って、さまざまな方面から生活を支えられる施設を目指しています。

コミュニケ―ション

■コミュニケーション~心の声を聴き、温かく接する。。。
コミュニケーションはさまざまなケアを展開するのに基盤となるものです。
個々人で違う思いや願いに寄り添うため、本当のご要望をうかがうことができるように
表面的言葉だけでない、心の声をきく傾聴を大切にしています。
また、傾聴と同時に、相手にとって好意的で親密な対応を大切にしています。

◆お食事について

ユニットならではの家庭的雰囲気に包まれた食事を大切にしています。
リビングでごはんを炊き、大皿盛りのおかずを思い思いの量を取り分けます。
栄養や健康の管理は行っていますが、自由度の高い食の提供を基本とし、
食べる量や好みに合わせており、持病があっても安定していれば通常のお食事をお出しします。
最期まで食べたいものを口からおいしく食べられるように、
安全面に配慮しながらも家庭的な味を尊重し、お出しするときも家庭的な雰囲気を大切にしています。

◆排泄ケアについて

排泄は健康の基盤となるもの。
ご本人のリズムに合わせた対応を行い、心地よく排泄できるようサポートします。
リラックスしてトイレに座れるように、プライバシーや自尊心に配慮してお手伝いいたします。
また、排泄物などから皮膚のトラブルを起こさないよう清潔を保ち皮膚観察を行います。
食生活や運動、睡眠などとの関連も重視しながら、生活全体で排泄リズムの安定を図っています。

◆入浴について

お風呂は日本人が大好きな時間です。ゆっくりとお湯につかり、体の芯まで温まることで、心身ともにリラックスできます。
光の苑では、すべて個浴の対応ですので、全員新しいお湯につかることができ、お好みの湯加減で入れます。
体の清潔を保つだけでなく、入浴剤を楽しんだり、職員と1対1の会話の時間を持っっていただけるようにしています。

◆ケアプラン ~光の苑はよりよく生活するためのケアを個別に計画します

心身の機能面は同じでも、お一人お一人の生活やお考えはみな違います。
個々にあったケアを提供するために、定期的に各職種が集まって話し合いケアの計画を立てます。
必要時はご本人、ご家族との連携もしながら内容の充実を図っています。
特に看取り期を迎えた方にはご家族との連携も密にしながら丁寧な計画を立てます。医療面や身体的ケアだけでなく、五感に働きかけるケアや人との関わり、そして心地よいお部屋づくりなどにも配慮したスピリチュアルケアにも力を入れていきます。

◆福祉用具について

福祉用具とは身体的に障害を持った方や不自由な機能を補うために使用する用具全般のことを指します。光の苑では、障害の性質や度合いなどに応じて、また保持している能力に応じて、どの福祉用具がご本人にとって適しているか、安全であるかなどを専門職種が選定して提供を行っています。
車椅子歩くことが不自由となられた方にとって、車椅子はとても重要な移動手段です。
それと同時に、日中座って過ごすことにもなりますから座り心地も大切です。
光の苑では、体格や身体能力に合わせてさまざまな種類の車椅子の中から、その方に合う車椅子をお選びして提供しています。スライディングボードこれまで、移乗介助は、職員が利用者の体を抱えたり持ち上げたりして行なわれてきました。これは職員の腰痛を引き起こすばかりでなく、利用者の肩や背骨に負荷がかかり無理に引き延ばされたり捻られたりしてとても危険です。
光の苑では、積極的にスライディングボードを導入し、利用者にも職員にも優しい移乗介助の環境を整えています。スタンディングマシン足の筋力が弱るなどして十分に立てなくなると、トイレに座っての排泄が難しくなりオムツなどで寝たまま排泄せざるを得なくなります。しかし、座ることができれば重力を利用してすっきりと排泄することができるので、このスタンディングマシンを利用すれば立てない方でも座って排泄することができます。
移乗用バー立ち上がる能力が低下されている方でも、手すりやバーを使うことでご自分で立ち上がり、車椅子などに乗り移ることができます。光の苑では、その方の能力や体格に合わせて、スイングバーや天井まで通した縦バーなどを適宜ご準備しています。リフト介護者が抱えずに、ベッドや車いす、お風呂やトイレなどへの移乗を可能にするリフトを、光の苑では実に12台導入しています。機械で体を持ち上げ移乗するために、シートで体を包み込みますが、機能に合わせて数種類のシートから選定します。リフト導入により、利用者の方は抱えられる不安や恐怖心を持つことなく安心してベッドから離れることができます。また転倒や滑り落ち、皮膚をこすって傷をつくるといった事故も予防できます。
シートの選定には、身体機能や体格、猫背などの変形やバランスなどについても専門的知識と経験が必要となります。研修と経験を重ねたスタッフが安全に対応しています。床ずれ予防マット・クッション光の苑では、最期の息をひきとるまでケアを行うこともあります。寝たきりで全身状態が思わしくないと、床ずれになる危険が高まります。そのようなリスクの高い方に対して、床ずれの予防のためのベッドマット・シートクッションを数種類ご用意しています。体格や姿勢に配慮するだけでなく、生活スタイルにもあったベッドマット選びを行っています。その他他にも、その方の障害などに応じて、食器やスプーン類の自助具、歩行時の杖や歩行器、尿器など必要に合わせて提供しています。

委員会活動

光の苑は10の委員会組織で、ケアの質を高めます